活用事例

当社リバースエンジニアリングの3Dスキャン、3D CADデータ加工、3Dプリンター造形、3Dモデリングデータ作成のサービスを活用した事例をご紹介します。

3D scan、3D CAD

空洞部品の寸法検査 | CTスキャンデータを3DCADデータに変換

基本情報

地域:愛知県

業種:医療部品メーカー

サイズ:約30×60×15mm

材質:樹脂

納期:受注後10日間

納品データ形式:IGES

愛知県の医療部品メーカー様からのご依頼です。

当時、樹脂製の医療用部品を開発している最中で、お客様の方で部品の3D設計図面を先に作成し、試作品専門メーカーに外注して、樹脂製の医療用部品の試作品を製作されたそうです。

 

出来上がった医療用部品の試作品は、ゆったりと曲がったノズルのような形状で、内部構造(中が空洞になっている)があったのですが、何度試作品の精度検査をしても結果が悪かったそうです。

具体的に言うと、部品の内部構造に問題があるのか、部品の内部を液体がうまく通らない(流動性が悪い)状態でした。

 

そこで今回は、内部構造に着目した、部品の寸法検査を行う事になりました。

部品の内部構造データを精度良く取得するため、寸法検査にはCTスキャナーを導入

部品の寸法検査を行うため、まず部品の寸法データを取得する必要がありますが、今回の寸法検査の重点は、部品の”内部構造”です。

 

複雑に入り組んだ部品の内部構造のデータは、3Dスキャナーでは取得することが出来ません。

そこで今回は、CTスキャナーを導入することにしました。

 

病院でもよく使われていることから、想像しやすいかと思われますが、CTスキャナーは、部品を”輪切り”にしたようなイメージで、空洞部分を含めた部品の断面のデータを、高精度で取得することができます。

 

※CTスキャンは、大きさに対して0.1%の誤差(100mmの部品なら0.1mmの誤差)が発生しますが、今回スキャンを行う部品は寸法も小さく、0.1%の誤差は影響ないだろうとのことでした。

CTスキャンで取得した寸法検査用データをリバースモデリングで3DCADデータに変換

CTスキャンで取得した、寸法検査用のデータは、DICOMという形式のデータで出力されます。

 

DICOMは、部品を輪切りにしたような形で、そのまま出力される特殊なデータで、3DCADソフトでは扱うことが出来ません。

そこで、3DCADとして扱うことが出来るように、CTスキャンデータDICOMを変換していきました。

 

まずは、DICOMのデータをSTLデータに変換しました。

三角形のパッチで構成されたSTLデータは容量が大きく、このままではまだ3DCADソフトに適してはいないため、このSTLデータを更に変換します。

 

STLデータをリバースモデリングし、3DCADデータ(CADで扱いやすいIGES形式)に変換して、お客様に納品させていただきました。

その後、3DCADデータの部品を基に、部品の寸法検査および内部構造の改善を行われたそうです。

 

 

今回のご依頼のように、内部構造が存在する部品の寸法検査を行う場合は、CTスキャナーを使ったデータの取得、そのデータを変換した3DCADデータ化が有効な場合がよくあります。

 

ただ、CTスキャンを行うことが出来ない素材の部品(樹脂と金属が混合された部品など)もありますので、検討部品があればご相談をいただければと思います。

 

空洞部品の寸法検査なら水谷製作所まで!

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