3Dスキャンを駆使し、欠損部分を補って3D CAD化
基本情報
地域:神奈川県
業種:鋳物製造業者
サイズ:約φ600×330mm
材質:アルミ鋳物
納期:実作業3日間
納品データ形式:IGES
今回は、大型鋳物を3Dスキャンし、3D CADデータに変換した事例です。
手作業で削られた箇所を削る前の状態に出来ないか
神奈川県の鋳物製造業者様から、「大型の鋳物をスキャンし、3D CAD データ化をしてほしい」とのご依頼をいただきました。製品はプロペラのようなもので、中心シャフトに羽根が3枚付いたものでした。羽根部分はそのうちの1枚をCAD化し、配列で並べてくれれば良いとのことでした。
ただ、調整のためか全ての羽根に手加工で大きく削った箇所が複数ありました。お客様に「削ってある部分も反映するのですか?」とお尋ねしたところ、「削った部分が無い状態、でも削った部分を均したものではなく、削る前の状態のものに出来ないでしょうか」とのことでした。
小さな欠損部ならスキャンソフトの修復機能である程度は補正出来るのですが、今回は欠損部分が大きすぎてソフトの修復機能では元の形状に近づけることが出来ませんでした。
欠損がない状態の部分を集めて加工前の元の形状に近づける
しかし、今回は結果的に元の形状に近づけることが出来ました。それは3枚のプロペラにある欠損部分が全て違う箇所にあったからです。各プロペラの削っていない元の状態の部分を集めて合成し、加工前の状態に近いものにすることができました。
ただ、やはりある程度の誤差は出てしまいます。お客様に確認したところ「元々鋳物製品ですし、その程度の誤差は許容範囲内です」との了承を得て、そのデータを元に3Dデータの作成を行いました。
完全な元データが無いので確認の術は無いのですが、提出したデータをお客様に確認していただいたところ満足していただくことが出来ました。
水谷製作所では、このような手加工修正したケースの形状のものでも対応、高精度な3Dスキャナーでデータを作成し、素早く3D CADデータに変換します。ものによってはやはり不可能な場合もありますが、お問い合わせの際一度ご相談いただければと思います。