製品トレイの製図時間を短縮するための三次元モデリング
基本情報
地域:福島県
業種:プラスチック製品メーカー
サイズ:50×80×100mm
材質:プラスチック
納期:実作業1日間
納品データ形式:IGES、STEP
福島県のプラスチック製品メーカー様より、三次元モデリング(3DCADデータ化)のご依頼をいただきました。
ある製品を入れるための、トレイを生産することになり、その生産に必要な図面を、まずは作らなくてはいけないとのことでした。
三次元モデリングとは、簡単に言うと3Dデータを作成することを指します。
3DCADあるいは3DCGを活用して、三次元グラフィックである物体の形状を作成します。今回行う三次元モデリングは3DCADで、水谷製作所の得意とする作業です。
アナログ測定では時間がかかるため、3Dスキャナーを活用した三次元モデリングを採用
トレイの中に入れる製品は、形そのものも曲線で構成されていて複雑ですが、素材がやわらかく、内容物の偏り具合や、力を入れて触れることで、若干形状が変化します。
分かりにくいかも知れませんが、やわらかいチューブに入ったリップグロスなどの化粧品をイメージしていただくと、少し近いです。
これまで、お客様の会社では、上記のような商品のトレイを生産する場合、ノギスなどを用いたアナログ測定で、製品の寸法や形状を測定されていたそうです。
(※余談ですが、水谷製作所でも3Dスキャナーの導入前までは、アナログ測定で、作る製品の製図を行っていました。)
ただ、やはり上記の方法だと、1つの製品のトレイの図面を作るのに、時間がかかってしまいます。
また、複雑な形状は手作業では測定がうまくいかず、「試作トレイの仕上がりが思うようにいかない……」というケースも多かったそうです。
「どうすればもっと効率よく、図面を描けるでしょうか?」とご相談されましたので、今回は非接触型光学式3Dスキャナーを使って、三次元モデリングを行い、生産用の図面の参考とすることをご提案させていただきました。
製品現物の三次元モデリングデータを基にした製図は早くて精度も良い
今回のケースのように、実際にトレイに入れる製品現物の三次元モデリングデータがあれば、従来行っていた製図にかかる時間が、短縮されます。
どれくらい短くなるのかはケースバイケースですが、例えば製品の測定自体に2時間かかっていたとするなら、それがまるまる必要なくなるわけです。
今回のケースの場合、中に入れる製品(現物)の寸法・形状に忠実なデータが取得でき、それにフィットするようなトレイの図面が正しく描けるので、製品の入り具合など、試作段階で細かい調整を行う回数を減らすことができます。
三次元モデリング図面を参考とした場合、作成にかかる時間はもちろん、図面の精度も、アナログ測定のみで製図したものより、ぐんとアップします。
エッジの角の正確なデータは必要ないので、オートサーフェス手法を採用
今回、三次元モデリングデータ(今回の場合、3DCADデータ)は、オートサーフェス手法を用いて、データ化しています。
製品そのままのデータが必要な場合、製品の形状をピッタリそのままラッピングするイメージのオートサーフェスが有効なのですが、エッジ(製品の角)が鋭利に出ないというデメリットもあります。
しかし、今回のトレイの製図にあたっては、エッジを細かく描く必要はないとのことでしたので、この点は全く問題ありませんでした。
当社では、製品の製図に三次元モデリングを導入することで、かかる時間が大幅に短縮されました。
今回ご依頼してくださった、プラスチック製品メーカー様の方でも、これからは製図の時間が短くなり、試作回数もおそらく減るので、生産がより効率的になっていくかと思います。
3Dスキャナーを用いた三次元モデリングを活用すれば、時間がかかっていた従来の作業を、簡略化できることも多いでしょう。
どんなことでも、お気軽にご相談いただければと思います。
製品の三次元モデリングのことなら水谷製作所リバースエンジニア.comまで!