活用事例

当社リバースエンジニアリングの3Dスキャン、3D CADデータ加工、3Dプリンター造形、3Dモデリングデータ作成のサービスを活用した事例をご紹介します。

3D scan、3D CAD

ポリカーボネート板の寸法・形状を正確に3Dスキャンで測定

基本情報

地域:兵庫県

業種:プラスチック製品メーカー

サイズ:1500×3000mm

材質:ポリカーボネート

納期:実作業2日間

納品データ形式:IGES

兵庫県のプラスチック製品メーカー様からのご依頼です。

 

とある流線形状のポリカーボネート板について、再生産に備えるための金型を製作する予定になっているので、現品の寸法および外形全体を、3Dスキャンの技術を使って測定してほしいのご相談でした。

ポリカーボネート板は、3Dスキャナーの発する光を透過させてしまう

お客様がお持ちになったポリカーボネート板の現物は、透明なので、非接触型光学式3Dスキャナーの光を透過させてしまいます。

 

光が透過して反射しない場合、点座標の位置を取得することはできません。

水の中に透明のコップなどを入れると、どこにコップがあるのか分からなくなることがありますが、それに近い理屈です。

ポリカーボネート板の寸法や外形を3Dスキャンで測定できるよう、スプレーを吹付

透明のポリカーボネート板を、3Dスキャンで測定するためには、物質に直接プローブという端子をあてて、点座標位置を取得する、接触型の3Dスキャナーを使用する方法もあります。

 

しかし、今回のご依頼は納期が急ぎめで、なおかつポリカーボネート板の現品に、キズをつけてはいけないとのことでしたので、直接プローブをあてるような測定方法は憚られました。

 

そこで今回は、非接触型光学式の3Dスキャナーを使用しています。

ただ、先述したように、透明のポリカーボネート板は、光学式3Dスキャナーの光を透過させてしまい、正確なスキャンデータを取得することができません。

 

なので、光の透過を防いで正確なスキャンデータの取得を行うため、事前に微粒子構造のスプレーの吹き付けを行っています。

スプレーの成分でポリカーボネート板が傷まないようにフィルムを貼り付ける

ただ、3Dスキャンの前にスプレーの吹き付けを行うことにも注意点があります。

スプレーにはエタノールが含まれており、部品の素材によっては部品が溶けたり、色が変わってしまう可能性がある点です。

 

今回のポリカーボネート板も、スプレーの吹き付けにより変色する可能性がありましたが、お客様より「現品なので変色させてはいけないのです」と申し出がありました。

 

そこで相談の結果、ポリカーボネート板がスプレーに含まれている成分で傷まないようにするため、ポリカーボネート板全体にお客様のご準備された、薄いフィルムを貼ることにしました。

 

まず、同素材のサンプルを使い、そのフィルムで本当にスプレーの入りこみを防ぐことができるかどうかテストを行ってから、ポリカーボネート板の3Dスキャン測定に移りました。

※ポリカーボネート板へのフィルムの貼り付けは、お客様の方で行っていただいています。

3Dスキャンで測定したポリカーボネート板の寸法・形状データをモデリングして納品

ポリカーボネート板に貼り付けたフィルムは、40ミクロンほどの厚みがあり、とても細かい気泡の混入もありますが、その程度の誤差なら、金型の製作に必要とするデータには影響ないとのことでしたので、そのまま問題なく3Dスキャナーによる測定を進めさせていただき、スキャンデータをモデリングしてIGESデータとし、お客様に納品させていただきました。

 

「ポリカーボネート板やガラスなど、透明の部品は非接触型光学式スキャナーでは測定できない?」と思われている方もいらっしゃるかと思いますが、微粒子スプレーの吹き付けなど、工夫次第で行えるケースもありますので、検討されている方は、まずはご相談をいただければと思います。

 

ポリカーボネート板の寸法・形状を3Dスキャンで測定するなら水谷製作所リバースエンジニアリング.comまで!

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